子どもの発育発達を支えるICT
事業紹介
運動することは「IQ・集中力・記憶力・創造性・認知力・長寿・抗疲労」などの力と直結しているといわれています※。
自分の頭で考える、判断できる、行動できる、やり抜く力。
そして、これからの時代に最も重要とされる多様性を受けとめ、
他者と共同できる力を高めることにおいて運動は絶大な効果を発揮することが分かっています。
※ノーベル生理学・医学賞の選定機関 カロリンスカ研究所 研究者アンダーズ・ハンセン著書「一流の頭脳」より。
これからの社会を支える子どもたちに焦点をあて、自分の頭で考える、
判断できる、行動できる、やり抜く、そして、他者と共同できる力を
高めるために、発達度の見える化を目標に、技術とサービスを提供していきます。
判断できる、行動できる、やり抜く、そして、他者と共同できる力を
高めるために、発達度の見える化を目標に、技術とサービスを提供していきます。
一般的に、DX化というのはICTで従来の仕事の流れをかえて効率を上げていく方法をいいます。
保育者はDXで子どもの理解を促進し、AIで保育者の将来の力を育みます。
アクティブキッズシステム
アクティブキッズシステム(ActiveKids)は、一般に提供されている、業務負担を軽減する「子ども施設向けICTシステム」とは異なり、子どもの身体運動能力の発達を「見える化」するシステムです。さんさんキッズシステムのバージョンアップ版です。
論文
Physical Activity Assessment for Daycare Teachers Reflecting Childcare Contents, M. Uemura; M. Kuroda , IEEE GCCE2024
保育園児の身体活動に関する時系列分析とクラスタリング分析を行い、保育者の議論を支援する。遊びを妨げずにPAの詳細を正確に把握し、十分なPAを提供する保育内容の可視化を目指した。
https://ieeexplore.ieee.org/document/10760323
"Long-term Analysis of Children’s Physical Activity for Nursery School Teacher Self-evaluation", S. Tanaka and M. Kuroda, IEEE LifeTech2022
3歳児9か月の活動量詳細データとそれを用いた保育士との半構造化インタビューから、定量的な視覚化と定性的インタビューの組み合わせが保育を改善する効果を示した。
https://ieeexplore.ieee.org/document/9754814
"On-site Physical Activity Analysis for Toddler in Unconstrained Environment", S. Tanaka and M. Kuroda, IEEE LifeTech2022
WHO推奨の子どもの活動時間・休憩時間データを示すことができ、加えて、昼寝時間から質の良い睡眠に関する昼寝時行動を議論した。
https://ieeexplore.ieee.org/document/9754847
"Empirical Analysis of Pre-schoolers’ Daily Physical Activity in Unconstrained Environment for Home IoT”, S. Tanaka and M. Kuroda, IEEE GCCE2019
保育園や幼稚園での自由な遊び空間における幼児たちの日々の活動データ解析を行った。
https://ieeexplore.ieee.org/document/9015281
調査研究報告書
「子どもの活動のビジブル化IOTとICT化推進にあたっての取り組み」報告書
令和4年3月一般財団法人テレコム先端技術研究支援センター
https://www.scat.or.jp/research/SCAT_research2203.pdf
「子どもの運動のビジブル化に取り組むIoTの技術動向」報告書
令和3年3月一般財団法人テレコム先端技術研究支援センター
https://www.scat.or.jp/research/SCAT_research2103.pdf
共同研究
令和3年度「子どもの発達発育ビジブル化方式の研究」九州産業大学 人間科学部 子ども教育学科 田中沙織 准教授
ルーブリック保育環境評価プラットフォーム (PACEAP)
PACEAP(Physical Activity and Childcare Environment Assessment Platform)は、DXとAIを用いて子どもの発達を客観的に評価するプラットフォームで、アクティブキッズシステムのデータ収集・分析結果を使えるようにしています。

論文
"Online Rubric-based Collaborative Assessment among One- and Two-year-olds Caregivers" ", S. Tanaka and M. Kuroda, IEEE GCCE2024
保育者が忙しい業務の合間にスマホやタブレットで実施できる、ルーブリックに基づく自己評価システムを開発した。視覚的なフォーマットを採用して、保育者間の評価を参考にして、子どもの成長を見ていきます。園長や主任もこの評価を共有し、保育環境の継続的な改善に貢献します。
https://ieeexplore.ieee.org/document/10760642
調査研究報告書
「ルーブリック評価を用いた子どもの運動のビジブル化」報告書
令和7年3月予定
さんさんキッズシステム
「さんさんキッズシステム」は、保育園/幼稚園の先生や研究者らが子どもたちの発育・発達の状況を掴むための現状の見える化を支援するシステムです。最近、普及している「子ども施設向けICTシステム」は、日々の計画や子どもの登降園管理等の業務を支援して、幼児教育施設としての業務負担軽減を図るシステムです。
「さんさんキッズシステム」は「子ども施設向けICTシステム」とともに使うことで、さらに力を発揮します。
子どもの成長を支える「さんさんキッズシステム」
さんさんキッズシステムは、これからの社会を支える子どもたちに焦点をあてて、自分の頭で考える、判断できる、行動できる、やり抜く、そして、他者と共同できる力を高めるために、発達度の見える化に取り組むための技術とサービスを提供するシステムです。
福島県、岐阜県、滋賀県、千葉県、埼玉県、神奈川県での運動量計測と分析を行ってきました。
さんさんキッズ スクラッチ連携
小学校でプログラミング教育が必修となりました。教育目標としては、以下が挙げられています。
①プログラミング的思考を育むこと
②プログラムの働きに気づき、それを応用すること、もしくはその態度を育むこと
③各教科の学びを確実にすること
生徒が活動量計を付けて運動したあと、子どもの視点で自分自身の運動データを用いてプログラミングすることで、生徒自身によるプログラミングの理解が深まりますし、先生によるプログラミング教育の負担も軽減されます。
さんさんキッズシステムは、登園時の非接触ヘルスチェックとそのデータの自動保存といった機能と連携します。また、子どもの活動計測で得た実際のデータを小学校でのプログラミング教育教材として使えます。
非接触ヘルスチェックは、海外で実績のあるポータブル・ヘルスクリニックで用いたセキュア省電力無線伝送技術を用いています。
さんさんキッズプロジェクト
2016年度から持続可能な地域社会基盤の構築と人づくり事業が福島県只見町で始まりました。
その一環として、子どもたちの生きる力を育てるための支援、それを支える周りの人・環境づくりの取り組みとして、幼児期の体力向上を目指す「さんさんキッズプロジェクト」があります。この事業では、実験のために用意した環境ではなく日常の保育現場において、睡眠、運動能力、生活習慣などの幼児期の発育発達状態を可視化します。
様々な視点でデータを取得・分析し、保育士・教員らのみならず、保護者、地域住民へ提供するなど、複合的な支援基盤を構築しています。
(NPO法人ただみコミュニティクラブ クラブマネジャー 平山真恵美)
活動量計を着けた子どもたちと園庭での主体的な遊び

活動量計
簡単で安全な活動量計で子どもの運動量を測定し結果を分析します。
活動量計はわずか10gと小型です。これを衣服の上からベルトで装着するだけです。
3歳児未満の子どもたちには、活動量計を口に入れたりしないように注意しています。
1日にどのくらい遊び、運動したかの詳細を記録します。
これにより、日々の運動量や姿勢の揺れ、一週間のリズム、同じクラスの中での立ち位置などが分析できます。
3歳児以上の活動量計着装
3歳児未満の活動量計着装
スポーツ庁「子どもの運動習慣アップ事業」
スポーツ庁web広報マガジンDEPORTARE(デポルターレ)
https://sports.go.jp/tag/kids/post-18.html
スポーツ庁「子どもの運動習慣アップ事業」への参加
子どもの体力は、体力の高かった1985年頃と比べると依然として低い水準にあります。また積極的にスポーツをする子どもとそうでない子どもの二極化が顕著に認められています。
この事業では、運動遊びプログラムを通じて、園児が楽しみながら多様な動きを獲得できるように運動遊びプログラムの改善を図るとともに、ICTを利活用して指導者であるプレイリーダーの質的向上を資する園児の活動量等データを計測・可視化する環境の構築を行いました。
活動量計による測定結果
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1日ごとにどれくらいの運動量なのか、歩数だけではわからない運動量が数字で分かります。
連続して使用した場合は1カ月ごとの成長が見えます。
個人としても、クラスの中の個人としても立ち位置がわかります。
測定結果は今後の指導などに生かされます
子どもの運動量が国際保健機関(WHO)推奨の運動量との比較で出るので、子どもの教育に役立ちます。
個々の子どもの一週間のリズムをとらえることができるため、より良い指導を導けます。
クラス単位でのデータとしても表せるため、科学的・客観的な分析ができます。
データから発育発達のためのより良い環境を検討することができます。
日本の保育と教育環境の改善の参考データとなります。
参考資料

